2011年10月24日。
また歌舞伎に行くことになった。近所の知り合いから招待券をいただいた。
色々と予定も詰まっていたので辞退しようかとも思ったが、せっかくの機会なのでまた行くことに。
前回は確か6月だった。
今度は「亀さん」が出るという。
良くわからないが、市川亀治郎という人で、来年、四代目市川猿之助を襲名予定だそうだ。
猿之助は良く聞く名前だが、亀治郎はそんな人いたっけ?という程度に知識しかないが、なんでもNHK龍馬伝のにも出ていたそうな。若手歌舞伎役者のホープらしい。
カミサンと新橋演舞場前で16:00過ぎに待ち合わせ。
見ていると、和服を着たご婦人、会社帰り(にしては少し時間が早いので早退してきたか、ズルか、はたまた、どこやらの取り締まられ役役員か?)のサラリーマン、奥様仲間?のような人がワンサカ。
何やら、常連風でもある。こっちはド素人で亀さんもわからない。
さてどうなるか・・・
演目は「當世流小栗判官」。
小栗判官・照手姫の愛の物語。早替わりあり、スペクタクルあり。最後は天馬に乗って空中を飛びます!との見出し。さてどうなるか。
幕が上がると、舞台がライトに照らされ始まった。
エッツ!なんと狂言。あの独特の言い回しで物語がスタートした。
一応、行く前にネットで物語の内容を読んで理解したつもりではあったが、なにせ狂言のセリフでは良く言っていることが聞き取れず、さては4時間近くもこの調子で行ったら、ウトウトしだすのではと先行き不安になってきた。
しかし、なんとなくストーリーも分かって、あっという間に1幕目の40分ほどが過ぎた。
ここで、自席で弁当。妻が、来るとき横浜のデパ地下で買ってきた。周りも多くが弁当を食べている。どうも、映画館でこれをやると少しヒンシュクものだが、歌舞伎の会場では普通らしい。さすがにビールを飲んでいる人はいないが、歌舞伎座(新橋演舞場)で弁当を食べるのは一種のこの世界のファッションのようだ。
やがて2幕目。ストーリーは割愛するが、舞台の華やかさ、独特のセリフと動き、意外と早く変わる手の込んだ舞台装置、一人何役かの着替えの早や変わり・・・、ウトウトする暇もなく、結構楽しんでみることに。自分でも意外なほど面白かった。
見ていると気が付いたのは、結局、内容は皆さん先刻ご承知で、楽しんでいるのは、今度の役者はあのところをどう演ずるか、舞台装置はどうなるか、宙吊りは上手くいくか、決め所の見栄は上手く決まるか、アドリブは何が飛び出すか・・、どうもそんなところに興味があるようだ。
要所要所?で掛け声や笑いが起こる。ナリタヤ!!という風に。
確かに、西洋のオペラに通ずるところがあるのかもしれない。あの舞台、生の有名歌舞伎役者、会場などを勘案すると15,000円は普通はかなりの高額だが、高くないのかもしれない。でも、ご招待券でよかった。
小栗判官・照手姫の伝説は、藤沢遊行寺にまつわる。ここは、娘の嫁ぎ先から歩いても15分足らず。
今度、藤沢に行ったら、寄ってお参りをしてこよう。
お寺にある解説の説明文も何か新鮮に身近に感じるかもしれない。