■オーストリアのリゾート地「ツェル・アムゼー」
ツェル・アムゼーといっても知っている人は少数派かも。自分も知らなかった。
美しい湖と白い氷河や緑萌える高原が混在するオーストリアきってのリゾート地だそうだ。ザルツブルクから約1時間。絵のように美しい町。
イメージ的には芦ノ湖に似ている。違うのは軒を連ねる土産物店が無いこと。
湖畔に洒落た山小屋風のお土産を売る店とリゾート風のホテルがが各一軒だけあった。
映画「サウンド・オブ・ミュージック」で有名なトラップ大佐の2番目の娘マリア・トラップさんはここツェル・アムゼーで生まれたとか。ゼー(see)とは「湖」のこと。
旅行中、ガイドさんからは話が無かったが、ここから5キロ程離れたところにカプルーンというスキー場がある。
いまから15年ほど前にケーブルカーがトンネル内火災を起こし、155名の人命が失われ、日本人も10名含まれていたという悲惨な事故があった。有名なスキーヤーや慶大、猪苗代湖中学校スキー部の若い学生たちも犠牲になった。
その現場がここ。
こんな美しいところで多くの人命が失われた。さぞかし本人もご家族も無念だっただろう。周囲の美しさと現実の悲惨さのギャップに愕然とする。(この事故についてはwikipediaにも出ている)
カプルーンにはその追悼施設があるという。
ドイツの最高峰ツークシュピッツに行く時に登山電車に乗ったが、山頂に出る手前5分ほどトンネルの中を走る。
その時、このケーブル火災を思い出し、いい気持ちはしなかった。
すぐ北がドイツのミュンヘン。南はイタリアのボルツアーノ。
およそ、縦100km、横200km強、程度の地域を移動した。
北海道で言えば道南の函館、札幌、小樽周辺と言った感じか。
考えてみれば、3か国と言いながら、かなりローカルな地域と言える。
■インスブルックの途中の町イエンバッハ
ツェル・アムゼーからインスブルックまでは120km、バスで2.5時間くらいの距離だが、途中にイエンバッハという小さな町がある。
ここからミニSLでアッヘンゼーというところまで行くことになった。距離にして7km。約45分。ミニSLは時速10km足らずのスピードでかなりの急こう配を上っていく。
このミニSL、現役で走行しているアプト式のSLでは世界最古といわれるらしい。
確かに、相当な年代物で、いい雰囲気を出している。
線路の途中からは遠くに綺麗な街並み、目の前にお花畑、楽しい車掌さん。まさに観光用のSLで結構お客さんも多い。
シーズンはおそらく溢れる乗客だろう。
この電車を外から撮影している人も多い。
電車の中から電車の外から、お互いに撮る方撮られる方が身ぶり手ぶりでコミュニケーションしている。
観光地ならではのほほえましい風景だ。