2011年5月11日。
24の季節を持つ美しい国日本。
立春から大寒までそれぞれの季節はそれぞれに美しく、それぞれに想いがあり、その細かく仕切られた季節の節目が来るたびに日本に生まれてよかったと実感する。
しかし、そうはいっても晩秋から初冬にかけての何とも言えない寂寥感と不安感はあまり有難くないものだった。
木々からは色づいた葉っぱがすべて落ち、落ち葉が風に舞う。木々の枝の向こうには凛とした空が広がり、これから来る本格的な寒さを思うと気分が少し滅入ってくる。
第一、冬、布団から出る時の寒さと言ったらない。
暖房をつけて起きるほどのヤワでもないし、かと言って今日の仕事の憂欝さを考えると益々起きるのが億劫になって、ぎりぎりになって意を決して起床する。
そんな生活が、サラリーマン時代の冬の風景にはあった。
ところが、年端もいって会社で怖い人もいなくなり、会社に行くことが楽しくなり、自然の喜びが真に感じられるようになったサラリーマンの後半期、冬も楽しくなった。
冬の終わりのころ、2月に入ってやがて来る春を待ちわび、木々の芽が膨らんで、森や林が白っぽくなてくるこの季節は何とも言えず良いものだ。
ところが、
その事情がさらに変わってきた。薪ストーブが入ってからだ。
冬への憧れと言ってもいい。
薪ストーブは暖房器具だ。
しかし、暖をとるということなら、エアコンでも石油ファンヒーターでもいい。スイッチ一つで簡単に暖められ便利この上ない。
しかし、薪ストーブは「火を焚くもの」。
つまり焚火だ。家の中での焚火。これが楽しくないはずはない。
ある人は、心身に不調を感じていたが、火の揺らめきを見ていたら治ってしまったとか。
セラピー効果だってある。
赤々と炎が燃える焚火。エアコンと基本的に違うのだ。
エアコンは暖かくはなっても調理はできない。
薪ストーブときたら暖かくなって調理ができてぱちぱちと音がして炎が揺らめいている。
エアコンは部屋の隅の脇役だが、薪ストーブは部屋の真ん中の主役だ。
火を見ながら暮らせる楽しさと安心感。
生きるために必要だった火と水。人類は川のそばに住居を構え、木々を拾い、焚火をした。そんな原始のDNAが埋め込まれている。
火の前で美味しい料理と酒を飲む。
なんと満ち足りた時間か。
冬よ来い。
もう準備は完了だ。薪は集めた。いつでも焚けるぞ。
今は立夏。早くも冬が待ち遠しい。
準備完了でゴザンス!
ところで、
火と水。
何かがある・・・!?
そうだ。
月火水木金土日
月(つき):時間を表す基本
火(ひ) :生きていくための道具と知恵
水(みず):生命を維持する最低必要源
木(き) :栄養の源
金(かね):複数で生きるための道具と知恵
土(つち):生命を育む小宇宙
日(たいよう) :生命を育む大宇宙
みんな大事なとてもとても大事なもの。