2012年4月21日。
昨日?の新聞に面白い記事があった。
『佳き声をもし持つならば愛さるる虫かと言いてゴキブリ叩く』
ある歌人の作だそうだ。
蜘蛛も取り立てて悪さをしないのに、見た目で損をしている。ともいっている。
確かに我が家でも時々赤ちゃんの手ほどあるかと思われる大きな蜘蛛が家の中に出現する。ぞっとしてほうきで追いかけ、外に掃出すが、相手もすばしっこく、なかなか成功しない。長押に隠れたりするともう手が出せない。
時々、振り払ったほうきめがけて飛んでくる時なぞ、気色悪くて、顔が引きつって真剣勝負の面持ちになる。
ゴキブリも似たようなもので、カミサンはゴキブリ退治はお父さんの仕事とおもって、すぐこちらに振ってくる。
どうせオイラは美しいものに縁のない嫌われ者よ、と嘆く彼らに朗報。
蜘蛛の糸を使ったバイオリンの絃はナイロン製より丈夫で音質も優れていた…
より柔らかく深みのある音色と高評価。
というのが、記事の言いたい趣旨だった。
まあそうではあるが、世の中、見た目で判断されることが多い。
美しい声を出す鈴虫はゴキブリと大して違う格好をしていないが、籠に入れて飼われるし、黒いネズミは嫌われ者だが、白くてかわいいハムスターは大体同じ格好をしているが、なぜか、ペットとして飼われることも多い。
中身が評価されるのは、しばらくたってからのこと。時間がかかる。
つまり第一印象が大事というわけ。
大概、見た目で判断し、恐そうとか優しそうとか、可愛いとか、そうでないとか・・・
ごきぶりも蜘蛛も、本人のせいではないが、生まれ持った特性が損得を左右するのは少し不公平だが、いかんともしがたい。
時間を少々かけて、内面を知ってもらわなくてはいけない。
そうすれば、外面以上のことがあることが実際は多い。
外形がいいと、それを本人も意識するから、むしろそれが内面に悪い影響を及ぼすことだって少なくない。世間ではよくある話だ。
一方、外側が整っていれば、だんだん中身も良くなってくるということもある。
だから、人間も着るものが大事。高価なものを着る必要はないが、あまりみすぼらしいのも第一印象に響く。
上から下まで一流品というわけにはいかないから、一つ二つ良いものを身に着けているという事は大事かもしれない。
良く言う話に、靴を見ていればその人の人柄が分かるという。
旅館の番頭さんがお客さんとその靴を玄関で間違えないのはその辺からきているのかもしれない。
つまり、彼らには、この人はどういう人というのが先刻承知なのだよ。
よく徳を身に付けよというが、凡人には難しい。せめて身だしなみくらいは気を付けたい。最近、お父さん、クサイといわれるので・・・
家の前の桜は散り、地面が花びらで埋まった。ツルニチソウが綺麗。