地域防犯の研修の一環として、小田原少年院を見学した。
大正時代に建てられたという歴史的建造物の中で70数名が生活しているとのこと。
所長と、職員の話はなかなか感動的でもあった。
自分のしたことの悪さをさとり、1年足らずで更生していく。
更生後の就業支援と言う観点で職業訓練を主なテーマとしているが、その中で、職員と少年たちの魂のぶつかりがあって成長していくのだろう。
お話は実際に現場に携わっている職員の生の声なので、とてもインパクトがあった。
ここに入らないようにするためには、社会で家庭で何が一番大切なことか?と言う質問に、「自分が必要とされていると言う周りの意識・期待」ということであった。
少年たちは家庭から、社会から、学校から、「お前なんか要らない、どっかえ行っちまえ!」のようなことを言われて、相手にされなくなり、無視される、行き場がなくなり、やがて仲間とつるんで非行に走る。と言うパターンがとても多いそうだ。
そういえば、マザーテレサが、愛の反対は何ですかと聞かれ、憎しみでなく「無視すること」です。と言った言葉を思い出した。
自分が必要とされている・・、やれば出来る・・、出来ると楽しい・・、それをここで学んで社会に出て行く。
施設は古く大正ロマンを感じさせるが、木造の建物は冷暖房がないと言う。
震度6級の地震がくればまずもたないだろう。
講堂も会議室も木のぬくもりと言えばそうだが、ここまで古いとどうしたものか・・・
改築が予算の関係で遅れていると言う。
道路も必要だが高速道路数十メートル分で立派な建物が建つだろう。
少年たちに「無視しているんじゃないんだよ」と言う姿勢をインフラの面でも示す必要があるのではと感じた。